まだ少し早いですが、熊野地方の梅雨の風物詩シイノトモシビタケについて。
写真は妻が去年の5月21日に撮影したものです。
シイノトモシビタケ。学名は、Mycena lux-coeli(ミケナ ルックス – コエリ:天国の光のキノコ)。
浄土の地と見なされた熊野にふさわしいキノコです。
熊野地方の光るキノコ研究の第一人者の方によるシイノトモシビタケについての解説
シイノトモシビタケはどこにでも生息するキノコではありません。
シイノトモシビタケはスダジイの大木のボロボロに腐った材から出ます。土に還る寸前のものや、幹のウロから出るものもあります。
スダジイの大木の生える森がシイノトモシビタケの生息地です。
したがって50年後、100年後にもこのキノコを残し続けたいと思うのならば、スダジイの大木の生える森を守り続けていかなければなりません。
私たちの今の行動次第で、将来、熊野地方からシイノトモシビタケが失われてしまうということもありえます。
山のそこら中でそこかしこに光る「天国の光のキノコ」。その美しい夢のような光景を目にして、私はこの光景は50年後にも100年後にも残していかなければならない大切なものだと思いました。
熊野地方では明治以降、たくさんの大切なものが破壊され、失われました。
今ある大切なものは守り続ける。そのような思いを抱いてくれる人たちがもっともっと増えてくれたらいいな、と思います。
今年も5月中旬頃から「宇久井海と森の自然塾」が毎週土日に、シイノトモシビタケの観察会を開催することと思います。
お申し込み・お問い合わせはこちらから。
http://ugui-shizenjyuku.com/activity_shiitomo.html
宇久井海と森の自然塾では、観察会とは別に1年に1度だけ、シイノトモシビタケの最盛期の6月に写真撮影会を開催しています。
シイノトモシビタケを守るためには写真撮影にも細やかな心配りが必要で、いい写真を撮りたいがためにシイノトモシビタケの生息地にダメージを与えてしまう人たちもいます。
未来にシイノトモシビタケを残すために、宇久井海と森の自然塾では写真撮影会は年に1度だけとしています。
http://ugui-shizenjyuku.com/html/shiitomosatuei.html
私は写真撮影はしませんし、妻も撮影は1ヶ所につき1年に1度だけと決めています。
私たちはこの美しい光景を未来に、シイノトモシビタケが生息できる環境を未来に残したいのです。