今年2021年の熊野本宮大社例大祭・本宮祭で授かった挑花

今年2021年の熊野本宮大社例大祭・本宮祭で授かった挑花(ちょうばな)。

本宮祭では挑花(ちょうばな)と呼ばれる菊の造花を豊穣の母神・熊野夫須美大神(くまのふすみのおおかみ)に奉ります。

挑の字には「掲げる」「担ぐ」などの意味があり、15日の渡御祭では挑花を台に飾りつけ肩に担いで掲げて渡御します。

挑花台

例年であれば挑花は御田祭の後に行われる餅まきで赤い餅を拾った参列者に赤い餅と引き換えで授けられます。今年は餅まきがなく、例年とは異なる形で参列者に授けられました。

挑花

この花を授かれば、1年災難なく過ごせ豊作であると伝えられます。

コロナ禍が続きますが、災難なく過ごせますように。

2021年の熊野本宮大社例大祭・本宮祭で着用したマスク3種

今年2021年の熊野本宮大社例大祭・本宮祭でも私たちはマスクを着用して参加しました。

昨年は不織布マスクだけでしたが、今年は熊野本宮大社宮司が書いた文字や絵を印刷した布マスクを不織布マスクの上に着けました。

マスクは3種類ありました。

熊野本宮大社マスク
4月13日の湯登神事、宮渡神事で着けたマスク

4月13日の湯登神事、宮渡神事で着けたマスク。父親の肩に担がれた稚児が描かれています。

熊野本宮大社マスク
4月15日の本殿祭で着けたマスク

4月15日の本殿祭で着けたマスク。本宮祭の文字が印刷されています。

4月13日の湯登神事、宮渡神事で着けたマスク。
4月15日の渡御祭、御田祭、還御祭で着けたマスク

4月15日の渡御祭、御田祭、還御祭で着けたマスク。挑花(ちょうばな)が描かれています。

本宮祭では菊の造花を豊穣の母神・熊野夫須美大神(くまのふすみのおおかみ)に捧げます。この菊の造花を挑花と呼びます。

挑花台

挑の字には「掲げる」「担ぐ」などの意味があり、15日の渡御祭では挑花を台に飾りつけ掲げて渡御します。

例年であれば挑花は御田祭の後に行われる餅まきで赤い餅を拾った参列者に赤い餅と引き換えで授けられます。この花を授かれば、1年災難なく過ごせ豊作であると伝えられます。

2021年の熊野本宮大社例大祭・本宮祭、今年できたこと、できなかったこと

熊野本宮大社例大祭・本宮祭(ほんぐうまつり)、無事滞りなく斎行されました。ありがとうございます。

新型コロナウィルス感染拡大防止の観点から昨年の本宮祭は祭典を縮小し、神職や神社役員らだけで営み、一般の参列はご遠慮していただく形で執り行いました。本宮祭は子どもたちが主役となる神事が多いので、子どもたちの参加がまったくない寂しいお祭りとなりました。

今年も祭典を縮小しましたが、昨年にはできなかった祭典を行うことができ、おかげさまで昨年よりは本宮祭らしいお祭りを執り行うことができました。ありがとうございます。

熊野本宮大社
2021年4月10日 幟立て

昨年できなくて今年できたこと

稚児行列や稚児が行う八撥神事(やさばきしんじ)は昨年はできませんでしたが、稚児(2~3歳くらいの男子)の人数を例年12人で行っていたのを今年は5人に制限して行いました。

例年一般の参列者を数百人受け入れて行う本殿祭は、昨年は一般の参列者を受け入れることができず神職や神社役員ら約20人で行いましたが、今年は主に熊野地方在住の100人に人数を制限して一般の参列者を受け入れて行いました。

御田祭(斎庭神事)で奉納される大和舞、巫女舞は例年小学5年生から中学1年生の男女が行うため昨年はできませんでしたが、今年は子どもたちに代わって成人の男女が行いました。

熊野本宮大社
2021年4月13日 宮渡神事を終えて

昨年に引き続き今年もできなかったこと

昨年に引き続き今年もできなかったのが稚児以外の子どもたちの参加。

御田祭の中核となる御田植神事は小さな子どもたちが行うものなので今年も行うことができませんでした。

また神輿の渡御は担ぎ手が密集するので今年もできませんでした。

お祭りの締めくくりに行う餅まきも密集が生じるので今年もできませんでした。しかしながら、昨年は餅の用意さえしませんでしたが、今年は斎庭神事に参列した一般の参列者1家族につき挑花1本と餅数個をお渡しました。

その他変更点

神輿の代わりに昨年は御神霊を納めた厨子(ずし)を宮司が持って渡御しましたが、今年は唐櫃(からひつ)に御神霊を納めて2人の神職が担いで渡御しました。

また例年4基の挑花台(ちょうばなだい)を2基増やして6基にしました。挑花は神様に捧げる菊の造花。その造花を台に飾りつけて担いで渡御します。これは1人で担ぐことができます。

採燈大護摩は例年他地域から修験者が集まって行っていただいていますが、今年は那智山青岸渡寺から来ていただいて行っていただきました。

挑花台
4月11日、挑花台を神門に設置
挑花台
4月11日、挑花台を神門に設置

御田植神事

御田植神事について。

 御田祭の中核となる祭儀は、神輿渡御の御旅所になっている旧社地大斎原の斎庭(ゆにわ)で行われる御田植神事です。神輿の前に四本の杭と注連縄で囲い、神田に見立てた約3m四方の空間を作り、古風な田歌が歌われるなかその周囲を、鋤(すき)持ち・朳(えぶり)持ち・苗持ちの男子と晴着に花笠を被った早乙女の女子たちが、時計回りに三周して最後に「神田」に苗やサカキを投げ入れて豊作を祈ります。

 熊野本宮大社に伝わる神事・行事は、子どもが主役となるものが多いことが特徴ですが、とくに御田祭は、同社第一殿に祀られ、万物の成長を司る豊穣の女神である熊野夫須美大神に、豊作や子どもの健康を祈る行事として、熊野三山における豊作に関する神事の典型を示しています。

和歌山県民俗芸能保存協会『和歌山県の祭りと民俗』東方出版、176頁

来年はまだ無理かもしれませんが、再来年くらいには御田植神事を行えることを願っています。