黒八大明神(くろはちだいみょうじん)をご存知の方、いらっしゃいますか?
「まんが日本昔ばなし」でその由来がアニメ化されたことのある、和歌山県東牟婁郡のどこかでお祀りされている神様です(1977年5月21日放送)。
しかしながら東牟婁郡のどこでお祀りされているのかは検索しても出てこず、わかりません。今ではもうお祀りされていないのかもしれません。
黒八大明神はもとは黒八という名前の人間です。
黒八爺さんは2匹のつがいの狼と山で出会って仲良くなった。狼たちは家に帰る黒八爺さんに付いてきて、黒八爺さんと一緒に暮らすようになった。それからというもの、田畑を荒らす鹿や猪などが狼を恐れて村に降りて来なくなり、村は豊作になった。黒八爺さんの死後、村人たちは感謝の気持ちを込めて黒八大明神としてお祀りするようになった。
ニホンオオカミの剥製(国立科学博物館所蔵) Momotarou2012 – 投稿者自身による作品, CC 表示-継承 3.0, リンクによる
このお話は1975年に初版が発行された『紀州の民話(日本の民話56)』(徳山静子編、未来社)に収められており、場所は東牟婁郡とだけ書かれています。これをもとに「まんが日本昔ばなし」でアニメ化されました。
『紀州の民話(日本の民話56)』の黒八大明神のお話は『熊野詣』という本に収められたものをもとにしており、この『熊野詣』がいつ出版されたものなのかは不明。
『紀州の民話(日本の民話56)』は新版が2016年に発行されました。息の長いよい本です。