数百年の時を経て実現した奥三河の花祭の熊野への里帰りで最初に行われた清めの儀式「うち清め」

数百年の時を経て実現した奥三河の花祭の熊野への里帰りで最初に行われた清めの儀式「うち清め」 の動画をYouTubeに公開しました。

「うち清め」は、花祭が始まる前に花祭の最高の司祭者である花太夫(はなだゆう)が花祭を行う場所を清めて回る儀式です。

七瀧や 八瀧の水を 汲み上げて 汲み上げて 日頃の不浄を 今ぞ清める きよむとて ようだの塩で ななた清める

と祓いの祭文を唱えて場を清めます。

奥三河の花祭熊野公演から半年が過ぎました

奥三河の花祭 熊野公演から半年が過ぎました。
数百年の時を経ての奥三河の花祭の熊野への初めての里帰り。
今から思うと、すごいことを実現したのだなと改めて思います。

公演前に私がさせていただいたご挨拶の動画を先日公開しました。
動画編集しながらその時の感動や楽しかった記憶が蘇りました。歴史的な瞬間を多くの方々と共に立ち合うことができてよかったです。

いよいよこれから歴史的な瞬間を迎えます。熊野三山ではかつて湯立神事というものが行われていました。お湯を沸かして神様に捧げて、そのお湯で人々を清めるという神事が行われていました。その熊野の湯立神事が山伏によって愛知県の奥三河に伝えられて、それが奥三河で独自に発展を遂げてできあがっていたのが奥三河の花祭だと考えられます。

残念ながら熊野三山で行われていた湯立神事はいまは湯釜を残すだけで、神事そのものは失われてしまいました。それはとても残念なことなのですけれども、しかしながら、本日、熊野から伝わった湯立神事が、数百年の時を経て、ここ熊野本宮大社旧社地大斎原に里帰りします。この歴史的な瞬間にみなさまとともに立ち会えることをとても幸せに思います。

熊野はかつては日本の宗教の中心地でしたので熊野信仰が成立に関わる民俗芸能は全国各地にあるんですけれども、それらのなかでいちばんの代表といえるのが、奥三河の花祭です。

というようなご挨拶をさせていただきました。ぜひ動画をご覧ください。

奥三河の花祭 熊野公演 2018.12.8 熊野本宮大社旧社地にて

明日は今年2度目の湯登神事

明日10月13日には今年2度目の湯登神事を行ないます。湯登神事を年に2度行うのは、たぶん熊野本宮大社2050年の歴史上初めてのことです。

通常、湯登神事は熊野本宮大社例大祭の初日4月13日に1度行われるだけです。

湯登神事について文化人類学者の鈴木正崇先生のご著書より。

湯登は精進潔斎して山に登り、稚児は十二所権現のお使いとして拝所ごとに八撥(やさばき)の舞を奉納して神降ろしをする。湯(ユ)は潔斎だけでなく、斎(ユ)にも通じ神降ろしも意味する。湯登は多義的な湯の意味づけで成り立つ。
(鈴木正崇『熊野と神楽 聖地の根源的力を求めて』12頁、平凡社)

明日、私は裃を来て湯の峰温泉から大日越えをします。

湯登神事の後は八咫の火祭りにも参加します。