花言葉は「私の愛は増すばかり」

南天の花

南天の花が咲いています。

南天の西欧での花言葉は、『私の愛は増すばかり』。ストレートで素敵な花言葉です。……
ちなみに、南天の英名は、「sacred bamboo~聖なる竹」、「Heavenly bamboo ~天国の竹」。……
「南天」って何? – 南天のど飴

16世紀に完成した中国の薬学書『本草綱目』で「草木之王」と記されている南天。

南天は熊野では姿を変えることができると思われていました。
熊野における南天の霊異

英国人も南天には特別な力を感じたのでしょうか。天国の竹、聖なる竹。

「私の愛は増すばかり」というとても素敵な花言葉。

南天の花が咲いている今の時期に、奥さんや旦那さんに南天の花言葉は「私の愛は増すばかり」なんだよねと教えてあげたらいいかも。

蛍狩りの呼び声は地域によってバリエーションがありました

蛍

蛍狩りの呼び声は地域によってバリエーションがありました。
以下、南方熊楠「紀州俗伝」より。

……紀州田辺辺りで行われる、「ほーたる来いほーたる来い。彼方の水は苦い、此方の水は甘い、ほーたる来いほーたる来い、行灯の光で蓑着て来い」(または行灯の光を見かけて来い)。

田辺町とほとんど町続きである神子浜では、「ほー、ほー、ほーたる来い。彼方は云々」と言ったあとで「ほー、ほー、ほーたる来い、行灯の光で蓑きて笠きて飛んで来い」と言う。

有田郡津木村などでは、単に「蛍来い、蛍来い天河の水呑まそう」と言う。
南方熊楠「紀州俗伝」口語訳3−3

全国的に一般に知られているのは、わらべうたの「ホーホー 蛍こい」。

ホー ホー 蛍こい
あっちの水は 苦いぞ
こっちの水は 甘いぞ
ホー ホー 蛍こい
山路(やまみち) こい
行燈(あんど)の光で
又こいこい

今でも地域によるバリエーションは残っているのでしょうか。

写真は妻が先日撮影したもの。

草木の王、南天

南天

かつて「草木の王」と称された南天の花がぼちぼち咲き始めました。

以下、南天について南方熊楠「紙上問答」より。

南天は『本草』に草木之王と称し、その枝葉を久しく服すれば、長生し、また飢えず、と言えり。……

十年ばかり前、東牟婁郡色川村の浦地健治という人、南天の大木を伐り、博覧会へ出し誇りおりたり。公文山とて、三里村近き地に神木多く、これを伐りて異様の凶死せし者十四、五人あり。この山に径一尺六寸ほどの大南天一本あり。毎度見つけて、さてこれを伐らんと支度して、また往き見れば一向なし。他の樹木に変相するなり、という。むかし土小屋の神社に、生きたる「おこぜ」魚を献じ、水乏しかりし川に大水を招き出し、十津川より材木十万を一朝に下し、大いに細民を救いし人あり。この人件の大水出るを見て歓喜に堪えず、径八寸ある南天の大木に乗り、流れに任せて失せ去りし、と言い伝う。
(『南方熊楠全集3』平凡社、213~214頁)