シロオニタケ

シロオニタケ

山の中でシロオニタケはかなり目立ちます。
生態は不明な点が多いとのことですが、おそらくは樹木の根と共生する菌根菌。

森の中の地面に生えるキノコの多くが菌根菌であり、菌根菌は植物の根に侵入して菌根という共生体を作り、植物に養分を送り、植物からは光合成産物を分けてもらいます。

下ばえが腐化してフスム(腐敗土)を形成し、これにミコライザ(根菌)という微細の菌が生じ、その作用にて腐土より滋養分を取り、大なる草木を養成するのが通例なり。
(「神島の珍植物の滅亡を憂いて本社に寄せられたる南方先生の書」『牟婁新報』明治44年8月6日付)

小さなキノコが大きな木の命を支えているのです。

熊楠のお墓にご挨拶

南方熊楠のお墓

3日間かけて写真家の方と一緒に、南方熊楠ゆかりの場所をめぐりました。
私が来年出す予定の本のための撮影です。

まだ出版社も決まっていないのですが、写真家の方とご縁ができてご協力いただけることになりました。

熊楠のお墓にもご挨拶に行きました。

日帰り客について

今井 ひろこ (Hiroko Imai Matsumoto)さんが和歌山大学観光学部の夏期集中講義の 山田 桂一郎 (Kei Yamada)先生の講義を受けて「日帰り客数を見るな!延べ宿泊数を見よ!」とブログに書かれていました。
http://imaihiroko.com/10654

日帰り客について、今から80年ほど前に南方熊楠は次のように述べています。

……旅宿は一向泊り客なく、大阪等より三百人五百人と団体が来たるも、いずれもアンパンから酒まで彼方で買って持ち来たり、ただ席料を支払い、また茶を一茶瓶いかほどと前もって談判の上、一時半時畳の上に座るのみ、朝来たりて午後去るゆえ、宿泊料にならず。気のきいた奴は千畳敷を眺めて、青天井で提帯し来たれる飲食を平らげ竹の皮を捨ててそのまま汽車で大阪へ上るゆえ、土地にびた一文落ちず。
(上松蓊宛書簡、昭和十一年三月二十九日付『全集』別巻一)

地域にあまりお金を落とさずにゴミを落としていく日帰り客の数を、世界で日本だけがカウントしているというのは、どんな事情からなのでしょうか?

当たり前のことですけれども、観光地にとって大切なのは宿泊してくださるお客様です。