昨日5/30放送のフジテレビ「林修のニッポンドリル」で、2016年に第26回南方熊楠賞を授賞された中沢新一先生のご著書『森のバロック』が紹介されました。
宗教人類学者・中沢新一先生による南方熊楠についての論考(せりか書房、1992年)。熊楠の思想の未来的な意義が論じられています。名著です。
この本が発行されてからもう四半世紀が経つんですね。
講談社学術文庫で文庫化されています。
※本ページは広告による収益を得ています。
昨日の熊野本宮大社旧社地のセンダン。
只今楝(おうち、俗にいうセンダン)の花盛りだ。本邦で古く、この木に罪人を梟首した。『平治物語』に、源義朝、鎌田政家の首を左の獄門の楝の木に掛けた、とあり。
(「紀州田辺湾の生物」『南方熊楠全集6巻』平凡社、291頁)
オウチはセンダンの古名。
処刑された罪人の霊を鎮めるだけの特別な霊力を持つと信じられたためか、古く日本では罪人の首を吊るして晒すのにセンダンは使われました。
最近の研究でセンダンにはインフルエンザウィルスを死滅させることのできる成分が含まれていることがわかり、科学的にセンダンに特別な力があることが実証されましたが、そのようなセンダンの力を古代中世の人たちは感じていたのかもしれません。
有難き御世にあふちの花盛り
ただ今、東京都千代田区の日比谷図書文化館では「ジャパニーズ・エコロジー 南方熊楠ゆかりの地を歩く」(6月14日開催の日比谷カレッジ)の関連展示をしています。
国際生物多様性の日である昨日5月22日から始まりました。
【関連展示のご案内】2018年5月22日(火)~6月17日(日)図書フロア3階
■『南方二書』関連資料(南方熊楠顕彰館所蔵)
■ 写真展「南方熊楠を歩く」・ポスター展「南方熊楠からのメッセージ」
https://www.library.chiyoda.tokyo.jp/information/20180614-post_54/
6月14日(木)の日比谷カレッジでは私も登壇いたしますので、よろしくお願いいたします!
今日5月18日は「日本人の可能性の極限か」とも評された熊野が誇る偉人、南方熊楠の151回目の誕生日。
この日は現在奇しくも「国際博物館の日」であり、「国際植物の日―世界のみんなで植物のたいせつさを考える日―」でもあります。
「国際博物館の日」は1977年に制定され、「国際植物の日―世界のみんなで植物のたいせつさを考える日―」は2012年に制定されました。
どちらも熊楠らしい記念日。もちろん偶然なのでしょうが、なんという素敵な偶然かと驚かされます。
しかもそれらが日本国内の記念日ではなく国際的な記念日だというのも熊楠らしいことです。