卯の花と音無川

ウツギ

卯の花の盛りは過ぎてしまいましたが、卯の花と音無川のことを詠んだ歌があるので、ご紹介します。写真は5月下旬に撮影したもの。

 卯の花をよめる/源盛清

卯の花を音無河の波かとてねたくも折らで過(すぎ)にけるかな

白河上皇の院宣により編纂された第5勅撰和歌集『金葉和歌集』に収められた歌(補遺歌 671)。

(訳)卯の花を音をたてずに流れる音無川の波かと思って、腹立たしいことに折らずに通り過ぎてしまったよ。

「音無し(音がない)」を懸詞とする歌。卯の花は、その白さから波に喩えられます。

音無川、音無の里、音無の滝:熊野の歌