11月19日に開催された令和3年田辺市文化賞贈呈式に推薦委員として出席しました。今年の受賞者は、地域における図書館ボランティアの先駆者である染谷文代(そめやふみよ)さんと、小栗判官物語の研究と伝承に功績のある安井理夫(やすいただお)さんのお二人。おめでとうございます!
私は安井理夫さんを推薦しました。田辺市文化賞推薦委員の会議で安井さんを推薦する上で私がしたのは、小栗判官物語の重要性を伝えることでした。小栗判官物語を知らないことには安井さんの功績を理解してもらえないだろうと思ったので、私は以下のようなことを話しました。
- 小栗判官物語は熊野信仰を広めるための物語であったこと。
- 熊野への道が小栗街道とも呼ばるようになるほど庶民の間で人気を博したこと。
- 小栗判官物語の研究や伝承は田辺市や熊野の観光振興に寄与すること。
- 小栗判官の地上に戻されてからの姿がハンセン病患者をモデルにしていると考えられること。
- 熊野がハンセン病患者を含めてあらゆる人々を受け入れてきた地域であったこと。
- ハンセン病患者やその家族への国家による差別がつい最近まであったこと。
- 小栗判官物語の根底には社会的弱者への支援があり、現在においてもその意義は失われていないこと。
- 小栗判官の物語が伝えるメッセージは、誰一人取り残さず、すべての人に豊かで幸せな未来をもたらすことを目指すSDGsの基本理念に合致するものであること。
安井理夫さんの受賞は私自身もとても嬉しく、またお元気なうちに受賞していただくことができてホッとしました。
またもう一人の受賞者である染谷文代さんも素晴らしい方です。図書館での子どもたちへの読み聞かせや、視覚障害者の学習支援のための録音図書の制作などに長年取り組まれました。染谷文代さんの活動にも社会的弱者への支援があります。
後日、田辺市からお手紙と写真が届きました。田辺市文化賞贈呈式当日の写真。他の人も写っているのでぼかしましたが、2列目の真ん中辺りが私です。
小栗判官の物語について知るには近藤ようこさんの漫画がオススメです。原作に忠実に漫画化されています。
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