先日、久しぶりに熊野古道をちょっとだけ歩きました。小雲取越のほんの一部。
そのときに見た歌碑の歌がいいなと思ったのでご紹介します。三重県の教育者・郷土史家の嶋正央氏が詠んだ歌。
歩まねば供養ならずと亡き母がのたまひてゐし雲取に来ぬ
(歩かなければ供養ではないと亡き母がおっしゃっていた雲取に来た)
平安時代末期の流行歌に次のような歌があります。
熊野へ参らむと思へども
後白河上皇撰述『梁塵秘抄』
徒歩(かち)より参れば道遠し すぐれて山きびし
馬にて参れば苦行ならず
空より参らむ 羽賜(た)べ 若王子
馬に乗って参ったら苦行ではない
熊野には自分自身の体の力だけで参らなければならないと考えられたのです。
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