新型コロナウィルスの感染拡大で、感染症の怖さを改めて肌身に感じています。
新型コロナウイルスによる肺炎の致死率は約2%とのことですが、それに比べると今は根絶された天然痘の致死率が約20%から50%というのはほんとうに恐ろしく感じます。
季節性インフルエンザの致死率は0.1%未満ですが、それでも年間死亡者数は日本で約1万人、世界で約25~50万人と推計されています。人類の歴史は感染症との戦いの歴史でもあるのですね。
室町時代に成立した『神道集』という書物に収められた、熊野の神様の前世を語る物語の中に次のような部分があります。
同じ帝(第11代天皇・垂仁天皇)の御時、諸国に大疫病が起こった。これは昔、インドのヴァイシャーリー城に発生した病気である。帝は大いに驚きになられて、たくさんの社を国々に祭り置かれた。すべて合わせて3742所である。「三千七百余社の日本の鎮守」と申すのはこれである。
熊野の本地(私による現代語訳)
垂仁天皇が実在したかは不明ですし、3742社もの神社を祭り置いたというのも実際のこととは思えませんが、予防法が確立する以前は疫病が流行したときには神頼みで感染が収束するのをひたすら願うことくらいしかできなかったのでしょうね。
町内には天然痘除けに霊験があるとされた黒尊仏という名の神社があります。久しぶりに行ってみようかな。
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