昨日1月7日、熊野本宮大社で行われた令和最初の八咫烏神事に参列しました。
烏文字でデザインされ「お烏様」とも呼ばれる熊野牛王神符を松明の火によって清め、年頭に松の木から作った宝印(寺社で用いる印鑑)を拝殿の御柱に押し初めする神事。
神事の後、参列者は白紙の半紙に宝印を受けて、宝印の押印のみの特別な牛王神符「白玉牛王(しらたまごおう)」を授与されます。この白玉牛王の授与が楽しくて私はこの数年毎年参列しています。
熊野三山の宝印はそれぞれ異なりますが、この本宮の宝印はたぶん仏の象徴とされる宝珠3つを火炎が包んでいる図ではないかと思います。3つの宝珠は熊野三所権現(本宮の家都御子神=阿弥陀如来・新宮の熊野速玉神=薬師如来・那智の熊野夫須美神=観音菩薩)を表しているのでしょう。
熊野本宮大社の通常の熊野牛王神符はこちら。
八咫烏神事という名前はたぶん最近の呼び方です。江戸時代には1月7日の夜に「宝印神事神楽宮籠」が行われており、これが八咫烏神事の元だと思われます。
本宮 年中行事:『紀伊続風土記』現代語訳
熊野牛王神符にまつわる年頭の行事は私は熊野本宮大社のものしか参列したことはありませんが、熊野三山それぞれで行われているものと思われます。
江戸時代には那智ではやはり1月7日夜に「牛王開眼」が行われており、新宮では1月1日から7日にかけて「牛王宝印加持」が行われていました。
那智山 年中行事:『紀伊続風土記』現代語訳
新宮 年中行事:『紀伊続風土記』現代語訳
下の写真は2016年1月7日に白玉午王を授与される私。