11月20日は「いいかんぶつの日」。
日本の三大乾物といえば昆布、鰹節、干し椎茸。
そのうちの鰹節が日本で広く使われるようになったのは、江戸時代中期頃からです。
現在の荒節に近いものが作られるようになったのが江戸時代初期。
その製法を開発したのは、紀州印南浦の漁師・角屋甚太郎(かどやじんたろう)で、延宝2年(1674年)のことだとされます。
角屋甚太郎が開発した魚肉を燻して乾燥させる「燻乾法(くんかんほう)」は熊野の浦々にも伝えられ、紀州で作られた鰹節は熊野節(くまのぶし)と呼ばれて人気を博しました。
熊野節の製法は紀州印南浦の漁師により土佐に伝えられ、しばらく熊野節は紀州と土佐でのみ生産されましたが、その後、安房や伊豆、薩摩にも伝えられ、それぞれの地が鰹節の名産地となりました。そうして鰹節は江戸時代中期頃から広く庶民にも使われるようになり、日本料理に欠かせない食材となったのです。
和食の味付けの基本が形作られていく過程のなかで紀州の人たちは大きな貢献を果たしました。