那智勝浦町では今年1月に町長の諮問機関で「那智の滝保全委員会」が設置されました。今月5日に第1回の会議があって、町長が「那智の滝が流れる姿を未来永劫守っていかねばならない」というような挨拶をされたようです。
http://www.agara.co.jp/sp/news/?i=365470
今から100年ほど前に南方熊楠は、那智の滝の背後の山林を伐採したら那智の滝の水源は涸れ尽くすだろうと伐採に反対しました。
さて霊山の滝水を蓄うるための山林は、永く伐り尽され、滝は涸れ、山は崩れ、ついに禿山となり、地のものが地に住めぬこととなるに候。
(松村任三宛書簡、明治四十四年(1911年)八月二十九日付『全集』七巻)
そう熊楠は警告し、那智の滝の水源林の保全を訴えました。
熊楠が100年前に行ったことをいま私たちは追いかけています。私たちはまだまだ全然熊楠に追いつけていません。