堪え難きを堪え、忍び難きを忍び

本日8月15日は終戦記念日。

然れども朕は時運の趨(おもむ)く所、堪え難きを堪え、忍び難きを忍び、以て万世の為に太平を開かんと欲す。

昭和20年(1945年)8月15日正午に日本の降伏を伝えた玉音放送の一節。

「堪え難きを堪え、忍び難きを忍び」の文言は、鈴木貫太郎首相に、熊野・湯の峰出身の禅僧・山本玄峰が与えた言葉によるものと思われます。

昭和20年(1945年)4月、山本玄峰は鈴木貫太郎と会談し、日本を守るために一刻も早く無条件降伏することを進言したといわれます。

日本の無条件降伏を勧告するポツダム宣言の受諾を日本政府が連合国側に通告したのが8月14日。

もし4月に日本が降伏していたら、横浜大空襲も台北大空襲も静岡大空襲もなく、沖縄戦での被害も小さくて済み、広島や長崎に原爆投下されることもありませんでした。

戦争はどう終わらせるのかが大事ですが、「一億玉砕」や「一億総特攻」をスローガンとした当時の戦争指導者は終わらせ方について真剣に考えていなかったのでしょう。

写真は山本玄峰の著書『無門関提唱』。