南方熊楠顕彰館で、企画展「サンティアゴ巡礼道と熊野古道」が昨日1月17日から始まりました!
熊楠は今から100年ほど前に、「十二支考」の一篇「鶏に関する民俗と伝説」で、サンティアゴ巡礼と熊野詣のことに触れています。
今も南紀の小児、蟻を見れば「蟻もダンナもよってこい、熊野参りにしょうら」と唱うるは、むかし熊野参り引きも切らざりしこと、蟻群の行列際限を見ざるようだったに基づく。それと等しく、銀河中の星の数、言語に絶しておびただしきを、サンチアゴ詣での人数に比べたのだ。
(「鶏に関する民俗と伝説」『全集』1巻)
サンティアゴ巡礼道と熊野古道。この二つの道は現在、数百キロメートルに及ぶ道としては世界でただ二つの世界遺産の道となっています。
今から百年ほど前に、熊野古道がサンティアゴ巡礼道に匹敵するほど価値のあるものだということが熊楠にはわかっていたのでしょう。