今井 ひろこ (Hiroko Imai Matsumoto)さんが和歌山大学観光学部の夏期集中講義の 山田 桂一郎 (Kei Yamada)先生の講義を受けて「日帰り客数を見るな!延べ宿泊数を見よ!」とブログに書かれていました。
http://imaihiroko.com/10654
日帰り客について、今から80年ほど前に南方熊楠は次のように述べています。
……旅宿は一向泊り客なく、大阪等より三百人五百人と団体が来たるも、いずれもアンパンから酒まで彼方で買って持ち来たり、ただ席料を支払い、また茶を一茶瓶いかほどと前もって談判の上、一時半時畳の上に座るのみ、朝来たりて午後去るゆえ、宿泊料にならず。気のきいた奴は千畳敷を眺めて、青天井で提帯し来たれる飲食を平らげ竹の皮を捨ててそのまま汽車で大阪へ上るゆえ、土地にびた一文落ちず。
(上松蓊宛書簡、昭和十一年三月二十九日付『全集』別巻一)
地域にあまりお金を落とさずにゴミを落としていく日帰り客の数を、世界で日本だけがカウントしているというのは、どんな事情からなのでしょうか?
当たり前のことですけれども、観光地にとって大切なのは宿泊してくださるお客様です。