先日、石川県野々市市に行きました。
JR特急サンダーバードで最寄駅の金沢駅でお土産を購入。自分へのお土産は、巻鰤(まきぶり)!
漁師の保存食から始まった能登の名産品ですが、南方熊楠が田辺の名物として贈答品に使った縄巻鮨(なわまきすし)に見た目がちょっと似ているなと思って買いました。
こちらが縄巻鮨。昭和10年代後半に失われた幻の鮨で、写真はグリル食菜ギャレットさんによって復元されたもの。
熊楠の大正10年4月9日付の上松蓊(うえまつ しげる)宛書簡に、
四月の『現代』に、幸田露伴氏、紀州田辺に過ぎたるもの二つ、南方熊楠君と日本一美味の鮨とあり。この美味の鮨とは前日差し上げたる縄巻鮨のことと存じ候。
(『南方熊楠全集 別巻1』平凡社、82頁)
熊楠が田辺の名物として推奨し、幸田露伴が「日本一美味の鮨」と絶賛した縄巻鮨。
大正9年頃に1本3円以上した縄巻鮨ですが、いま販売するなら1本1万円だそうです。ものすごく手間隙がかかっています。
ちなみに今回購入した巻鰤のお値段は2000円ぐらいでした。