昨日の第27回南方熊楠賞記念パーティーで、南方熊楠賞を授賞された加藤真先生と少しお話させていただき、ご著書『生命は細部に宿りたまう――ミクロハビタットの小宇宙』にサインもしていただきました。
貴重な自然を守ろうと戦っていらっしゃる生態学者の先生ですので、まさに記念すべき生誕150周年の南方熊楠賞にふさわしい方だと思います。
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昨日の第27回南方熊楠賞記念パーティーで、南方熊楠賞を授賞された加藤真先生と少しお話させていただき、ご著書『生命は細部に宿りたまう――ミクロハビタットの小宇宙』にサインもしていただきました。
貴重な自然を守ろうと戦っていらっしゃる生態学者の先生ですので、まさに記念すべき生誕150周年の南方熊楠賞にふさわしい方だと思います。
今日、山で見かけたギンリョウソウ。別名ユウレイタケ。
ギンリョウソウはツツジ科の無葉緑植物。光合成せず、植物と共生関係にある菌根菌から栄養をもらう菌寄生植物です。植物が光合成で作った栄養を菌類を経由して得ています。
ちょっと不思議な感じがする植物です。
南方熊楠はギンリョウソウについて次のように述べています。
そのいわゆる奇植物は、一見春蘭(俗名ジイサンバアサン)の花のようで、莖に多少の鱗片あり。春蘭のような長い葉もなければ、緑色な処は少しもなく、全体白色で美しく光沢あり。長四、五寸あって同根より叢り生ず。これは密林の樹陰にあるものゆえ、ちょっと人の眼に付かぬが、実は素人が想うほど少なくない。当町付近でも、闘鶏社、高山寺、それから例の稲成山神林、奇絶峡、スクマ谷等の椎、樫等の下に、初夏しばしば生ずる。
南方熊楠「周参見から贈られた植物について」
本日5月13日は第27回南方熊楠賞授賞式。そして5日後の5月18日は熊楠の150回目の誕生日です。
南方熊楠は神社合祀についての文章のなかで、友人ディキンズからの手紙の内容を紹介しています。
……数年前大博士シャラーの『若き日本』に、「勇武、忠義、敏捷、精通、自抑はまことに日本人の美質で、ずいぶん感心だが、ここに日本人の肺肝に深く食い込んで到底抜け難い大悪質が二つある。不正直と不浄心だ。一つあってさえいかなる大国民をも亡ぼすに足るものを、二つまで兼備しおる」と言っておる。神教を起こすなど称し、宛てにならぬ基本金の多寡を標準として、かりそめにも皇祖皇宗から一国一地方に功績ある神霊の古社を滅却せしむる輩の不正直、不浄心は見え透きおる。
(南方熊楠「古社の滅却」)
日本人の大悪質。不正直と不浄心。
これは百年ほど前の文章ですが、今でもそうなんだろうなと、耳が痛く、恥ずかしく思います。