海と生きる気仙沼の取り組み

南紀熊野観光塾で宮城県気仙沼市の取り組みについてお話を聞かせていただいたなかで、面白かったのが、海と生きる魚の町・気仙沼のご当地グルメを作るときに、どの魚にするか決めるのだけで半年かかったというお話。

余所者からしたらそれぞれの魚の漁獲量や知名度、地域での愛され方を考えたら「メカジキだよね」とすぐ判断がつくのですが、それがメカジキに決まるのに半年かかったという。

頭のなかで考えるだけなら誰でもできますが、やはり実際に行うのはなかなか難しいことです。

気仙沼市唐桑町の人たちが今度熊野に来て、郷土芸能劇「唐桑ものがたり 海の古道〜神々の記憶〜」を上演します! 3月26日(日)午後6時から、和歌山県新宮市の三輪崎会館にて。入場無料!

翌3月27日(月)には午前10時から熊野本宮大社にて唐桑町の郷土芸能「大漁唄込」の奉納が行われます!

熊楠が使用した瓢箪の水筒を見て思ったこと

南方熊楠記念館

先日リニューアルオープンした南方熊楠記念館。

南方熊楠記念館には、熊楠が使用した瓢箪の水筒が2個展示されています。

瓢箪を見て思い浮かべたのが上富田町のマスコットキャラクター。
上富田町のマスコットキャラクターが瓢箪に決まったことを知ったとき、私は驚きました。
上富田町民の方にとって瓢箪はそんなに思い入れのある大事なものなのか、と。

自治体が生き残りをかけて足掻いている地方創生の時代に、瓢箪をマスコットキャラクターに選んだのですから、それは上富田町は瓢箪を1つの大きな柱にして地域を活性化していくんだという覚悟の表明なのでしょう。

しかしながら上富田町は困難な道を選んだのだなと私は思いました。
瓢箪を地域経済の柱にするってとても難しいことではないのか、というのが上富田町の瓢箪についてほとんど知らない私が抱いた率直な感想です。

それでも上富田町民が選んだ道ですから、それはそれでがんばってほしいとは思いますが、本宮町に暮らす移住者である私には、上富田町民の瓢箪への思いの強さが残念ながら全然伝わってきません。

きっと多くの上富田町民の方の家の中には瓢箪が飾られているのでしょうが、家の中で飾っているだけでは全然地域外の人には思いが伝わりません。

上富田町民の方にはもっともっと瓢箪への思いを外に出していただきたいです。
簡単に誰もができそうなことだと、外出するときには常に瓢箪を携えていくとか。

私は熊野にとって梛(ナギ)の葉がとても大切なものだと思っていますので、いつも梛の葉を携えています。
財布と名刺入れと手帳に梛の押し葉を入れています。カバンにも梛の押し葉をぶら下げています。車の中には梛の葉ペンダントをお守り代わりにぶら下げています。

私が梛の葉でやっているようなことくらいは、ぜひとも上富田町民の方には瓢箪でやってほしいなあと思います。

熊楠の瓢箪の水筒を見て、そんなことを思いました。

80年ほど前に撮影された南方熊楠や熊野各地の映像

シンポジウム+上映会「紀行映画『熊野路』と南方熊楠-新発見の南方熊楠映像資料をめぐって-」

紀州地域学共同研究会の研究集会の3日目、午前中のシンポジウム+上映会「紀行映画『熊野路』と南方熊楠-新発見の南方熊楠映像資料をめぐって-」。

上映された映画、よかったです。
15分ほどの紀行フイルムに熊楠の映像が20秒ほど入っています。

この国第三の都 名高きものに扇の松原・神島・白浜温泉・白良々の浜・円月島・崎の湯・千畳敷・臨海研究所 而して又南方翁あり

熊楠の映像はとても貴重。
熊楠は夏目漱石と同い年。この世代の人物が映像で残されているのは稀なこと。他に同い年なのは、正岡子規、秋山真之、宮武外骨、幸田露伴など。これらのなかで映像が残されている人物ってほとんどいないと思います。

80年ほど前の当時の熊野各地の映像も貴重。
筏流しやプロペラ船の映像があり、川が重要な交通路だったことがわかります。川の水量は豊かだし、那智の滝の水量も豊か。ちらっと映ったあの滝は白見の滝? 湯の峰温泉は湯けむりもうもう。

熊野は木の国であり、水の国でもあったのだなあ、と80年前の映像を見て水に豊かさに感動しました。

あと、椿の葉で巻いた煙草を吸う女性の笑顔もよかったなあ。