
本日、kindle本を出版しました。
妻の月命日に発行できたらと願っていたのですが、どうにか発行することができました。
妻が生きているうちに出せていたらよかったのになあ、とは思いますが、ちょうど月命日に発行できてよかったなあ、とホッとしています。
本書『南方熊楠が贈る日々の言葉、三六六──森羅万象、知のいろはにほへと』は、彼が書き遺した膨大な文章の中から、今を生きる私たちの心に灯りをともす言葉を選りすぐり、それらの言葉が持つ真意や背景を解き明かした366篇のエッセイ集です。
たとえば彼は、「世界にまるで不用の物なし」と語り、効率至上主義に陥りがちな現代に対して多様性の真の価値を説きました。また、情報が氾濫する社会を予見したかのように「胸中無主人」という言葉を用い、自らの頭で考え抜く重要性を厳しく問うています。
さらに「風景と空気こそが第一等の金儲けの種になる」と訴え、開発によって失われる景観が、実は人々の営みを根底で支える宝であると見抜く先見性も持ち合わせていました。そして、性暴力への法的正義を訴え、社会的弱者が生きづらい世を「地獄」と断じた彼の言葉は、驚くほど現代的で、鋭く、そして温かさに満ちています。
本書は、そんな彼の多面的な魅力を366篇の短編エッセイに綴り、それらをタイトルの「いろは順」に並べて構成しました。「いろはにほへと」と一歩ずつ歩むように読み進めてもよいですし、パッと開いたページから読み始めても構いません。体系立てて学ぶのではなく、深い森の中を散策するように、どこからでも迷い込み、偶然出会った言葉を楽しんでください。
本書を読み進めるうちに、あるいはふと目にした一行から、見慣れた日常の景色が、少しだけ違った輝きを帯びて見えてくるはずです。筆者が熊楠の著作からもらっているものを、ほんの少しでもお裾分けすることができたのなら、筆者としてこの上ない喜びです。
1篇1篇のエッセイは短いものですが、全体での文字数は43万超、印刷本にした場合の推定のページ数は862ページ。かなりの文章量ですが、少しずつ読み進めていただければと思います。
本書を、南方熊楠という巨大な知性と対話を重ねるための「道具箱」として、あなたのスマホやタブレットの本棚に置いていただければ幸いです。
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